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【Product】El Chalten ZEROBONE or El Chalten Pro?


HISTORY of El Chalten
El Chaltenはフライとインナー、フットプリントが一体となった本体を3本のポールで吊り下げるユニークな構造で、バックパッカーのストレスをいかに「ゼロ」に近づけるかを具現化したブランドを象徴するテントです。2014年のファーストモデルから、抜群の設営しやすさ、長辺側の前後どちらも出入口&前室となる使い勝手、悪天候時の安定性など、軽量性とのバランスを追求しながら様々なカラーとスタイルがリリースされてきました。

El Chalten ZEROBONE or El Chalten Pro?
今春発売の「El Chalten ZEROBONE」は最新バージョン、かつEl Chalten ZEROBONEシリーズのファーストモデルになります。平行して既存のEl Chalten Proシリーズも継続予定です。
El Chalten Proシリーズ・ZEROBONEシリーズどちらも、ユニークな構造や抜群の設営のしやすさ、悪天候への安定性、結露への不快感ゼロといった'El Chaltenらしさ'は共通です。El Chalten ZEROBONEシリーズはオリジナルポール(ZEROBONE)で快適性をより追求していくライン、一方でEl Chalten ProシリーズはDACポールを使用した軽量性とのバランスをより追求していくラインになります。
 

「El Chalten ZEROBONE」と、El Chalten Proの現行バージョン「ALL NEW El Chalten Pro」を比較してみます。かなり細かい部分もありますが参考になりましたら幸いです。

【index】
1.ポールの特長
2.設営の簡単さ
3.安定性
4.居住性
5.外観(カラー、シルエット)
6.カスタマイズ
7.まとめ(スペック)


1.ポールの特長
まずシリーズの一番の違いであるポールについて説明します。両シリーズともフライやインナーテント、フットプリントの生地は同じです。ポール(組み合わせるパーツを含む)の違いがそれぞれのシリーズの特長を出しています。

■「ALL NEW El Chalten Pro」
誰もが知っている世界的なポールブランド DACが使われています。軽くて強靭、そしてしなやかさが特長で多くのテントブランドがDACを採用しており、その信頼感は絶大です。


■「El Chalten ZEROBONE」
一方で「El Chalten ZEROBONE」の快適性を実現した要となっているのが、シリーズ名の由来にもなっているオリジナルポール ZEROBONE(ゼロボーン)です。強靭でしなやかさを備えたジェラルミンポールで、ポールと一緒に機能するパーツから製造工程までアイデンティティを追求しました。例えば「El Chalten ZEROBONE」では3本のポールをフラットに連結するオリジナルハブを組み合わせることで、均等なバランスでテントを吊り上げます。安定性が向上し、その分インナーテント内の高さが引きあがっています。また少しでも化学材料を減らすために製造最後のコーティング工程(より美しく見せるツヤコーティング)を省きました。ポールのカラーがマットな印象な理由はそのためです。



2.設営の簡単さ
フライとインナー、フットプリントの一体型テントなので、基本はスタッフサックからテントを取り出したら広げてポールをさすだけ。ポールは3本で長いメインポールが2本、短いリッジポールが1本です。細かい部分に違いはありますが、どちらも3分もあれば設営でき簡単さやスピードは変わりません。

■「El Chalten ZEROBONE」
・3本のポールを中央のオリジナルハブで連結しているので、ハブを持ちあげるとポールが一気につながっていきます。またオリジナルハブにはZEROGRAMロゴが入っているのでポール向きが分かりやすくなっています。
・ポールエンドをはめ込むポールクリップは、オリジナルの薄い金属パーツです。クリップを入れるホールが雪だるまみたいな形状で、ホールの大きい方からはめると小さい方にスライドされ抜けづらくなっています。セットはしやすいですが、完全な固定ではないため設営時に取れてしまう時があります。
・ポールにかけるフックの向きがすべて同じです。ZEROBONEポールはテントを吊り上げるテンションが高いため取れづらいことには変わりません。


■「ALL NEW El Chalten Pro」
・2本のメインポールはハブで連結、最後につけるリッジポールは設営時にメインポールのハブにはめ込みます。ハブはロゴなどのマークがないため、慣れるまでは上下左右を間違えることもあるかもしれません。
・ポールエンドをはめ込むポールクリップはDACオリジナルのJAKE FOOTシステムでポールエンドがカチッとはまり外れません。プラスチック製のポールクリップは厚みがあるので、ホールに入った雪や土が取れづらい時があります。
・ポールにかけるフックの向きが何かの衝撃で取れづらいように交互になっています。その分設営撤収では少し手間取ります。



3.安定性
悪天候や稜線でも安心してお使いいただける抜群の安定性と堅牢度を発揮する構造は共通です。吊り下げ式のポールながらシングルウオールのスリーブ式と同じようなテンションを発揮します。メインポールはしなやかで強風を吸収、硬いリッジポールが内部空間をしっかり守ります。ZEROBONEポールの機能性から「El Chalten ZEROBONE」の方が安定性は高いです。

■「El Chalten ZEROBONE」
・ZEROBONEポールは中央のハブが3本を完全にフラットな状態で連結するため、ポール連結部分を均等にテンションがかかります。その分安定性がアップしました。


■「ALL NEW El Chalten Pro」
・一方でこちらは3本のポール連結部分が縦に積み重なるため、段差が生まれることでテントのテンションは若干下がります。ただ(テントはポールとフライとの間が狭いほど安定性が増しますが)DACのS-Hookでポールとフライとの間隔がミニマムな設計になるよう工夫されています。



4.居住性
長辺側の前後どちらも出入口なので機動力と開放感の高い、結露の不快感が限りなく少ない、前室含め居住空間が広いなど、元から居住性が高いEl Chalten。悪天候など長い待機時間があっても楽に過ごせます。とはいえストレスのなさと開放感は「El Chalten ZEROBONE」が上になります。ただし機能追加された分、重量は増えています。

■「El Chalten ZEROBONE」
開放感:
・テンション高く引き上げるZEROBONEポールによって、フライだけでなくインナーテントも引きあがっています。そのため天井高さが上がっています。また壁のたわみも改善され同じフロアサイズながら居住空間は広く感じられるでしょう。
・またインナーテントドアの形状がC型に変わり、全開時は限りなくオープンになります。


ストレスのなさ:
・インナーテントを開けたままにする時、壁面のクイックポケットに放り込むだけでいちいちフックに留める必要がありません。小物を入れっぱなしにできなくなりましたが、その分天井側のポケットのサイズが深くなりました。
・ベンチレーションの開け閉めが中からもできます。
・フライ出入口が素早く固定できます。巻き上げるフックが長くなっていて、ちょっとした違いですが手間取らずに固定できます。


■「ALL NEW El Chalten Pro」
・ドアの形状がL型です。開放感は落ちますが、ジップ長さが短いため開け閉めのスピードは若干こちらの方が上です。開け閉めはテント泊で何度もするのでこちらの形状が好きな方もいるでしょう。
・壁面2つのポケットが大きく物が入れやすくなっています。天井2つのポケットは深くはないですが、携帯やキーなど入れるには充分です。
・ベンチレーションの開け閉めは外からのみになります。



5.外観(カラー、シルエット)
ZEROGRAMのテントは開発者が自然の中でインスピレーションを受けて新カラー(ポール、フライ、インナーのグラデーション)を決めます。これまでも多くのユニークなカラーが生まれてきました。どちらのシリーズもテント場では一目で自分のテントと分かるでしょう。なお自然に溶け込む濃いグリーンはEl Chaltenの定番カラーで毎シーズン出ています。

■「El Chalten ZEROBONE」
・カラーはこれまでにないシックで落ち着いたグラデーションの2カラーです。ポールがマットな黒、フライとインナーが同色の組み合わせです。
・シルエットはZEROBONEポールでテンション高く引き上げられている分、丸味のある美しいシルエットになっています。


■「ALL NEW El Chalten Pro」
・限定色を含め3カラー(2pのみ4カラー)展開です。DACのツヤ感があるポール、フライとインナーと異なるユニークなグラデーションで全カラー異なる印象です。

※BEIGEは2pのみ


6.カスタマイズ
El Chaltenはインナーやフットプリントは簡単に取り外しができ、テントモード・シェルターモードなど利用状況にあわせた変更ができます。工夫をすればインナーテントとポールを組み合わせて自立も可能です。
ただ自分仕様にカスタマイズという意味では「El Chalten ZEROBONE」のみが可能です。別カラーのフライや別素材のインナーテントなどパーツがオプションとして販売になります。フライのカラーをチェンジしたり、寒い時期にはソリッドのインナーテントに変えたり、オプションパーツだけ組み合わせて自分だけのセットを作ったりできます。
残念ながらポールエンドのパーツなど仕様が異なるため、El Chalten Proシリーズとの互換性はありません。

※「El Chalten ZEROBONE」オプション発売は2023年4月中旬を予定しています。


7.まとめ(スペック)

いかがでしたでしょうか。迷われたら公式サイトやショールーム、お近くの取扱店様にご相談ください。 なお豆知識として、El Chaltenシリーズと同じ構造でミニマルキャンプ向けに、4名用テント「BLACK BUTTE UL4p」と再生ナイロン素材の「CORAL DOME 2p」もあり、こちらにもZEROBONEポールが使用されています。
 

El Chaltenシリーズ